特選明和電機132003.12.26発売/A5size 28P/500円

illustration TOP&Left Side:Isuzu Hino

社長世界に羽ばたく!正道お兄ちゃん、ライブ・映画出演!

(元社長=土佐正道:兄  社長=土佐信道:弟)

 2001年ロンドンの「TOKYO LIFE」に引き続き、2003年、明和電機は徐々に海外へと進出していきます。
 ・アルスエレクトロニカインタラクティブアート部門 準グランプリ受賞
 (とはいえ、私は「アルスエレクトロニカ」という単語を明和電機受賞で初めて知ったのですが^^;。社長!色々と勉強させてもらってます!)

 ・国際交流基金パリ日本文化会館で開催「ひととロボット展」
 明和電機はAIBOなど当時日本の最先端ロボットと肩を並べて展示とデモを行いました。
 フランス人スタッフも青い制服を着てパフォーマンスをした事、電圧の違いに苦労したことなどを嬉々と話す社長を思い出します。

 明和電機が世界へ向かっていくのはとても嬉しいのですが、その間日本では生明和が見られない!その寂しさが分かっているのかいないのか、元社長 正道お兄ちゃんがアクティブでした。

■音楽ユニット Y&M☆O
・音楽ユニット Y&M☆O(ヤスコーン&マサビッチ オーケストラ)
 ヤスコーン=杉木ヤスコ氏:漫画家、たまごっちのキャラクターデザイン、最近では鉄道マンガで活躍中。
 マサビッチ=元社長 正道お兄ちゃん
 2人組音楽ユニット。映像、音楽、電動人形(ロボット?)を使ったパフォーマンス…と文字にするとカッコイイのですが、勿論ゆるゆるユニットです。上下白のつなぎ、金髪ボブのかつら、頭には大きなねじ(電動でくるくる回る。回らない時もあるwww)でキーボードを弾きつつ「♪消しゴムアタック、羽ぼうき〜、ヤスコ〜ん、まさび〜っち〜ぼくらマンガ家〜」とまったり歌っていました。

■映画「スミスの法則」主演男優&映画音楽担当
 監督は、お馴染みグラインダーマンの大下智樹氏、衣装協力はヤマメン(株)、その他出演者も、スメリー、トーストガール、グラインダーマンの面々…と結構「内輪」な映画。自主映画ですが、プロのアーチストとして活躍している方々の映画、見ごたえは十分ありました。

 スミスの法則:STORY
 舞台は1930年代のとある国の場末のストリップ劇場。
 その劇場のストリッパーにホレたたタクシーの運転手兼、革命テロリストのリーダー兼子持ちパパの紙雄(土佐正道氏)は、爆弾テロを行い、革命に成功する。そしてその日から全ての人々の名字はスミスになり、ストリッパーの日常も変わっていく…。
・昭和初期のレトロムード、クラシックカーのタクシー、ビロードのドレスやコート
・ストリッパー女性陣の少々エロチックな歌とダンス
・紙雄の子供役の女の子(中学生)の非常に達者なクラシックピアノ
 …などなどが印象に残ってしまい、「革命」や「名字が全員スミスになる」という骨組みのストーリーが薄らいでしまった感はありましたが、ビジュアルや世界観がしっかりしていたので感情移入しやすかったです。
 脚本は10年以上前、大下智樹監督が高校生の時に書いたとのこと。

 最初は映画音楽だけの依頼であったのに、最終的には「主演」してしまった正道氏は上機嫌で上映会後の挨拶をしました。
 「最初は音楽だけだったんですけど、僕、映画音楽なんてやったことないから、Wさん(ヲノさん)に相談したりして、マックでサササ〜っと作ったんですよ。そしたら、結構イイものができちゃって(笑)これで、この映画はOK!僕の中では終わっちゃったんですよ。そしたら、今度は主演の依頼。まずはイメージ作りでスチール写真をパシャパシャっと撮ったら、これがイイんですよ!で、またここでこの映画に対する僕のモチベーションって下がってしまったんですけどね(笑)その後映画の撮影で、素晴らしい歌やダンスやピアノを見て、よし!これでこの映画はOK!って思いましたね。」
正道氏、かなり饒舌でした。さすが主演男優!

 この映画は渋谷の「青い部屋」、銀座の「奥野ビル」など一歩足を踏み入れると現世から切り離されるような、独特の雰囲気のある場所で撮影されました。
 「青い部屋」は松蔭浩之氏のデザイン。青い壁に真っ赤な大きなバラが描かれ、照度を落とした琥珀のような照明、赤いベルベットのゴシック風長椅子や家具…。大人のエロスがだだ漏れしています。残念ながら2010年にクローズしていますが、画像検索すると画像が出てきますのでぜひ!
 「奥野ビル」は昭和初期レトロモダン風。手動で扉を開けるエレベーター、時計の針のような階数表示、黒光りする階段の手すり、重厚感あるドア…。80年以上の歴史があるからこそ漂う雰囲気。現在はギャラリーなどが入居中。「ぶらぶら美術館」でも紹介された、ここでしか味わえない建物です。2020年現役中。いつかは姿を変えてしまうでしょう。ぜひ今のうちに!

■クラブイベント「上京十年土佐正道」
 正道お兄ちゃんが、上京十年を「同窓会みたいにしたい」と開いた初のオールイベント。
 ヲノさん、クワクボさん、ゴージャラス(松蔭浩之氏 & 宇治野宗輝氏)、Y&M☆O(ヤスコーン&マサビッチ オーケストラ)、当時明和電機元工員 スズキユーリ君、しりあがり寿氏のバンド「まぼろち」…そして勿論、明和電機社長 信道氏も交えての同窓会というより忘年会かお花見の出し物大会のような賑やかなイベントでした。
 松蔭浩之氏 & 宇治野宗輝氏も青い制服に身を包み即席「上京十年バンド」、ヲノさんDJの定番!マイムマイム、クワクボさんの新作…等々お酒がどんどん進んでしまうイベントでした。

■DAF東京でセーモンズ プロトタイプ発表
 社長、工員ユーリ君、ゲストのモトコンポのお二人、BitMan操作でクワクボさん参加!その上明和の新作楽器!しかも入場無料!ついでにこの日は大荒れ台風!傘はフッ飛び、首都高は通行止め!という、豪華絢爛なライブでした。
 モトコンポのボーカルchihoさん、元ジュディマリのYUKI風なコです。明和の「バレリーナ」「イカリを揚げよう」を熱唱!
 懐かしの80sテクノポップ「ジェニーはごきげんななめ」(byジューシーフルーツ)を演奏中に機械暴走!バグ続出!で演奏一時中断という、普通のライブでは考えられない事態に戸惑いを隠せないchihoさんでしたが、そこはプロ、見事にやりきりました。
 やり切れなかったのが明和電機の新作楽器「歌うマシン」(仮称)。
 社長と歌うマシンのデュエット「麦の歌」…マシンはウインウインと必死で動いていたのですが…壊れました…社長トークでつなげつつ、復帰を試みたのですが…ダメでした…。演奏は中断!社長、無念〜。
 歌うマシンはまだまだこれから!きっといつかはステキな(?)歌声を聴かせてくれる事でしょう…。たぶん…(汗)
 ↑と2003年に書いていましたが、あれから17年!「歌うマシン」はセーモンズと名付けられ、今やセカンドバージョンが出るほどに改良&改造され明和の中心的存在となるほどに成長しました。

<本誌掲載イベント>
2003:03.22 大阪 インターメディウム研究所 IMI大学院スクール 明和電機ワークショップ
2003:03.29 渋谷 青い部屋 松蔭浩之クラブイベント 土佐正道出演(制作協力:日野いすゞ)
2003:08.09 DAF東京 明和電機&MOTOCOMPOジョイントライブ
2003:08.10 渋谷 青い部屋 映画「スミスの法則」舞台挨拶&上演会 主演男優&映画音楽担当 土佐正道氏出演
2003:10.10 池袋 LIVE INN ROSA 上京十年 土佐正道(ページ制作:日野いすゞ)
2003:10.12 パシフィコ横浜 第5回 アジアMANGAサミット Y&M☆O(ヤスコーン&マサビッチ オーケストラ)出演
2003:11.02 池袋 LIVE INN ROSA 高橋名人のBAGってNIGHT!3 Y&M☆O(ヤスコーン&マサビッチ オーケストラ)出演

※明和電機というより「土佐正道本」のような13冊目。当時も(今も)明和電機にはなくてなならない存在の正道お兄ちゃん!の位置づけな私には楽しい日々でした。

※それにしても!日野さんの描く正道お兄ちゃんの抜け感は最高!。お兄ちゃんの脱力感、ゆるさ加減が本当に上手く表現できていて、なんと良い絵師さんが入ってくれた事よ…と改めてしみじみしてしまいます。

※2020年の今、思い返すと、この年に受賞した「アルスエレクトロニカインタラクティブアート部門 準グランプリ受賞」から明和電機の流れは少しづつ新しい領域へ入っていったなあ…。と感じます。

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