特選明和電機112001.12.30発売/A5size 36P/500円

illustration:Isuzu Hino

新社長信道氏、ルミネよしもとでサバオでサンバ!

(元社長=土佐正道:兄  社長=土佐信道:弟)

 正道社長辞任という大波を乗り越え、スタートした新生明和電機。
 皮切りはとにかく「サバオ!」「サバオ!」「サバオ!」「サバオ!」
 CD「SAVAO」に続き、CD「サバオでサンバ!」、サバオストラップメタリック、サバオホイッスル、サバオタブレットケース…。SAVAO、鯖お、さばお、サバオおおお〜〜〜(ドップラー効果)
 この時の1連のサバオ商品は、魚コード、ビットマン、末京液の時のような販売商品の背景にある社長のこだわりやストーリーが全く見えてきませんでした。社長風にいうなら、作品にポエムがない。
 もういい、サバオはいい…。と何度心の中で呟いただろう…。「正道社長の抜けた穴をサバオで埋めているんだ」と当時の私は思っていました。

 辛い…。つらかった。
 今だから言えますが、この時期の明和電機を見ているのは本当に辛かった。しんどかった。
 私が同人誌を作り出した頃からの明和ファンはこの時期かなり縁遠くなってしまいました。

 しかしそんな中、1輪の花が快い木琴の音色と共に花開きました。自動演奏木琴の「マリンカ」です。
 旧市ヶ谷アトリエから拝借してきたボードを加工して制作。理系男子風なデザインが多い明和製品の中で、このマリンカは見た目も音色も乙女。
 ココココ…。と乾いているのにどこかしっとりとした音ねを感じるのは、木管系の音ならでは。
 花びらの木琴が開いたり、閉じたりすると音に強弱がつき、音色がふわりと広がってそよ風の吹く草原に立っているような気分になります。

 メーヴェで日本や海外の大空を飛ぶ八谷さんが「一目見て涙が出た」とおっしゃった作品です。
 「マリンカ」無かったら私も明和から離れていて、こんなページを作ることもなかったかもしれない。
 私を明和電機に繋ぎ止めてくれた、最後の一輪の花「マリンカ」。私にとってはとても思入れのある製品です。

■ルミネよしもと、タワレコインストアイベント、何故かエスパーと共演?
 明和電機の新しいスポンサー、大阪商人「吉本興業」は兎に角利益第一主義!。明和もその波にのまれグッズ連発。都内お笑い劇場「ルミネよしもと」への出演。そして何故か「エスパー清田」という自称超能力者とステージに立つ。
 ソニー時代の明和では考えられないような奇行(苦笑)を繰り広げていました。
 それでも笑って、会場を湧かせてお客さんを楽しませていた社長。流石「アーチストはサービス業」と言うだけのことはあるし、今は不本意でも(←ファンの思込み・汗)、何が何でも明和電機を続けていく!と言う気迫を感じました。

■しがらみ無しでヲノさんとジョイント!NHKで五木ひろしと出演。
 「すっかり吉本に染まっちまったのか!明和よおおお〜」と傷心気味だったファンの心を癒してくれたのは、ヲノさんとクラブイベント「ルパンナイト」。あいかわずのサバオで登場ですが、久々の吉本無縁のイベントではしゃぎまくり、サバオは壊れるは、修理のつなぎで社長は銀恋歌うわ、明和のお楽しみが存分に味わえたイベントでした。
(と言っても私はそれを日野さんの原稿で感じ取っただけなのですが・妊婦だったので流石に欠席ですwww)

 NHK「金曜オンステージ いっきにパラダイス」公開録画、細長いNHKホールで観覧しました。
 流石のNHK「麦の唄」演奏で本当の麦畑をステージに飾り、明和の制服を着た少年少女合唱団が斉唱、と短い時間ですが見ごたえのあるステージでした。
 日本演歌の重鎮、五木ひろし氏も明和電機製品に挑戦。腕に魚立琴が操作できる装置を装着、ボクサーがパンチを打つようにすると魚立琴の音が鳴る仕組み。五木氏は「よこはまたそがれ」をずっとパンチを打ち、魚立琴を鳴らしながら熱唱。さすがに息切れてました…。
 この、自分を捨てて、芸を貫いた姿に感動したのか、社長は「光栄です!」をこの後何度も連発してました。

<本誌掲載イベント>
2001:07.30 新宿・ルミネよしもと 明和&サバちゃん出演!
2001:08.31 新宿・ルミネよしもと 明和電機×清田益章 超!技能訓練所
2001:09.15 渋谷・タワーレコード サバオdeサンバ インストアデモ
2001:09.18 渋谷・スペイン坂スタジオ 東京FMエモーショナルビート公開録音
2001:09.30 FM横浜 横浜トリエンナーレ 公開録音
2001:10.13 渋谷・VRAS 嵐のルパンナイト(ページ制作:日野いすゞ)
2001:10.15 渋谷・NHKホール 金曜オンステージ「いっきにパラダイス」公開録画
2001:11.02 中央大学理工学部学園祭 明和電機トークショー

以下全てページ制作:日野さん タイトル「同心円」にてレポしたイベントです
2001:8月 トーストガールPOP(ページ制作:日野いすゞ 以下全て)
2001:8月 横浜トリエンナーレ 小沢剛 トンチキハウス
2001:9月 墨田区・現代美術製作所 BEST12展 グラインダーマン、オスカール大岩、パルコ木下他
2001:9月 ギャラリーアート倉庫 グラインダーマン「Add-Venture」
2001:9月 東京都現代美術館 芸術劇場 村上隆が出展者を一般公募 スメリー出演
2001:9〜10月 横浜トリエンナーレ
2001:10月 ロゴスギャラリー Pelle Kronestedt(ペレ・クローネステット・Swedish)写真集「SAFE EUROPEAN」販売イベント 松陰浩之&明和電機ゲスト出演
2001:11月 墨田区・現代美術製作所 昭和40年会シークレットライブ
2001:11月 Dreamtime in Morishita Studios グラインダーマン出演

※日野さんのレポ「同心円」のボリューム感たるや!5Pに9イベントブッ込んでます。美術手帖かっ!と言いたくなるほどの充実した内容で2020年現代アートにつながる文章も多く、今改めて読み返すと面白い!日野さんやっぱり先見の明があるなあ。

※「横浜トリエンナーレ、情報開示がほとんどなかった」そうですが、小沢剛氏の「ああ言う世界的な展覧会は本当に大変。それを日本で初めてやろうって言うんだからズタズタになるのはわかっていた」と言うコメントがあったことを記載しています。次回はあるのか?と当時心配していましたが、20年続いてます。素晴らしい!。

※この後、2010年代になると、瀬戸内、愛知…と、波及していき所謂「世界の現代アート」をお祭りのように楽しめるイベントが増えてきました。明和電機にとっても土壌が広がり、いい風が吹いているんじゃないかな…と素人目線ですが思っています。社長なら「その風は僕が吹かせているんですよ、あ、そうだ、いい風吹かせる製品作ろう」位言いそうですがwww

※私のお腹の子は羊水の中ですくすく育っていき、この本を冬コミで売っていた頃は胎動も少しづつ感じるようになってきました(妊娠6ヶ月、保険証のコピーと母子手帳持ってコミケで売り子…真似はしないでください)。遠出、夜オールのイベントなどは流石に行けなくなっていました。日野さんの執筆は本当にありがたかった…。

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