特選明和電機82000.8.12発売/A5size 36P/400円

top illustration:Isuzu Hino

2000年代の幕開けは文化庁芸術祭優秀賞・女装・ライブツアー!

(社長=土佐正道:兄  副社長=土佐信道:弟)

 明和が世に出た当初は「数年で消えちゃうよ」なんて心無い噂もありましたが、何と国のお墨付きを頂けるまでになるとは誰が予想したでしょうか…。「文化庁第3回メディア芸術祭 デジタルアートインタラクティブ部門優秀賞受賞」、めでたい1年の幕開けでした。
 その文化庁芸術祭のシンポジウムでは大賞受賞のソニー「アイボ」の開発者、大槻正氏と対談。
大槻氏から「明和電機の製品、ソニーで量産しましょうか?」という爆弾発言が飛び出したのですが、全く気にせずどんどん次の話題へ進んでいく副社長。「この人は本当に前しか見てないんだな」と思いました。

 「アイボには毒がない」「アイボの背景にポエムが欲しい」という副社長に、大槻氏は大きく頷いて「そういう事言ってくれる人、ソニーにはなかなかいないんだよね〜」と終始笑顔。0から1を生み出す開発者同士、通じるものがあるんだろうな、と思いました。

■女装大好き?明和電機 NHKデジタルフェア
 副社長の女性へのこだわりは妊婦ロボットなどで十分承知しているのですが、まさか明和ファミリー一同、女装好き?と目を皿のようにして見てしまった。社長、ヲノさん、クワクボさんが、ナッパ服にカツラ、バッチリメイクで登場。大盛り上がりでした。3人とも線が細いのでとってもお似合いでした。

■まるで劇団?新旧メンバー揃い踏み、フォービューティフルヒューマンライブ
 経理のヲノさん、クワクボさんに加え、懐かしのナッパーズ、専属歌手 大谷健太郎さん、愛と真実のダンサー・スメリー…と出し惜しみなしの大盤振る舞い。豪華幕の内弁当のような、よりどりみどりの楽しいライブでした。

 副社長は相変わらずの紙サバオ推し。
顔はサバオで体はÇavaと胸に大きくプリントされたTシャツ、という出で立ちで「サバオの絵描き歌」を熱演。

 社長は雑誌バッジ連載「感電自作マニュアル」で紹介した「カップニードル」「コテシラベ」「ギヤトーン」をヲノさんのオルガンとセッションしつつ紹介。
「カップニードル」…カップラーメンの入れ物の下に針が付いていて、ここで音が出るんや。針がついてるから「カップニードル」や、しょもないやろ。
「コテシラベ」…半田ごてで音を出すから「コテシラベ」しょもないやろ?
「ギヤトーン」…ギターで歯車を引いて音を出すから「ギヤトーン」いうんや、ピント来ない人多そうやな。

 社長は「しょもないやろ?」とさらりと言いますが、とんでもない!
 その「しょうもない」発想は社長でなければ絶対に発想できないことで、それを形にして、しかも面白い。そこが副社長が「お兄ちゃんにはかなわないんですよね〜」と羨ましそうに、ちょっと悔しそうに、しみじみ言うところなんですよね。
 今もそのゆるゆるとした想像力は健在で私達の気持ちを和ませる楽器を作っています。社長ってココロのスキマをほぐす鍼灸師みたいwww。

■広がるアーチストの和! Rock'n Roll GORGEROUS
 社長が昭和40年会に加わったことで、明和と他のアーチストとのジョイントがどんどん広がっていました。
 何と言っても昭和40年会の会長、松蔭浩之さん宇治野宗輝さんとのバンドユニット「ゴージャラス」とのジョイント(対バン?)ライブは衝撃でした。
 松蔭さんの正にゴージャスでねっとりとしたパフォーマンスと、明和電機の武田丸を10倍…いや100倍位ハデで爆音にした「ラブアームス」(作品名違ったらすいません)を持った宇治野さんの轟音。
 普段明和電機をメインに観ているお客には強烈な刺激がありましたが、明和ご本人達は何処吹く風でマイペース。
三角帽子にパーティグッズの鼻・メガネ・ヒゲをつけて社長とヲノさん登場。
 ♪花嫁さんが泣いたらあかん。今日のお前はほんまキレイや。なあ、母さん。
 ♪こんぶ、こんぶ、こんぶつゆ、こんぶをぎょうさんつこてるの。ヤマサ。
 まさかの「ヤマサ昆布つゆ」のCMソングでお客の掴みはOK(?)。スカイハイ、淋しい熱帯魚、サバオの歌、君はエプロン僕はパンタロン、パンチくんレンダちゃん、専属歌手大谷健太郎さん登場で地球のプレゼント、そしてラストはモーニング娘。「LOVEマシーン」歌詞はほぼデタラメで「ホニャホニャダイナマイツ!」で誤魔化しwww。クセになる劇薬のようなクリスマスプレゼントでした。

■副社長 ソロ活動? NOBUMICHI TOSA NAKI展 青山アニエス・ベー
 ライブハウス、市民ホール、パルコやデパートなど大型複合施設の一角…。
 今まで明和の製品やパフォーマンスを見ていたのは比較的誰でも入りやすい所だったのですが…。急に敷居が高くなり青山の高級ブティックの一角でNAKIシリーズの展示。しかも「明和電機」としてではなく副社長「NOBUMICHI TOSA」として。
 今までのくっきりとした明和ブルーのイメージではなく、白、透明感のある薄いスカイブルーを基調に、初夏の爽やかさを意識したようなイメージの展示でした。製品を前面に押し出すというより、ブティックのオブジェの1つとしてさりげなく飾れられているという感じでした。新CD「SAVAO」のジャケット撮影用のオブジェもあり、視聴もできました。が、この「SAVAO」明和電機、というより副社長のソロアルバムなんだよね。そうだよね「SAVAO」だもんねえ…とその時はあまり深く考えず「ママは試験官〜」と鼻歌を歌っておりました。

 これが後の「エーデルワイス シリーズ」への布石。
 そして、当時の明和電機ファンにとって、天変地異に等しい驚愕の発表への第一歩だったんだな…。と思います。

<本誌掲載イベント>
1999:11.27-28 小樽よしもと 明和電機 展示会&デモ(ページ制作:日野いすゞ)
1999:12.09 渋谷エッグマン Rock'n Roll GORGEROUS
2000:01 文化庁メディア芸術祭 優秀賞受賞
2000:03.18 東京おもちゃショー キューブの一角に明和電機ノックマンと魚コードストラップの展示
2000:04.16 青山アニエス・ベー NOBUMICHI TOSA NAKI展
2000:04.29 つくば美術館 三田村畯右と『総合造形展
2000:05.03 NHK デジタルフェア(ページ制作:日野いすゞ)
2000:05.20 つくば美術館 グラインダーマンパフォーマンス
2000:05.28-29 新宿リキッドルーム フォービューティフルヒューマンライブ

※2000年は明和電機にとって受賞ラッシュでした。
「文化庁第3回メディア芸術祭 デジタルアートインタラクティブ部門優秀賞受賞」
「グッドデザイン賞受賞 新領域デザイン部門」人間では初受賞!
 次々と国内外に影響力のある賞を受賞。21世紀に向けて益々活躍の場が広がっていく嬉しい予感であふれていました。

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